今話題の幹細胞コスメ!
ヒト幹細胞培養液ってなに?
再生医療の発展で、美容業界でも近年話題になっている“ヒト幹細胞コスメ”。 TVや雑誌でもよく取り上げられているため、耳にしたことがある方も多いかもしれません。でも「幹細胞って一体なに?」「幹細胞培養液って安全なの?」そんな疑問をもたれている方も多いはず。
このコラムでは、ヒト幹細胞培養液とその効果について、解説します。
目次
ヒト幹細胞ってなに?
まず「幹細胞」とは、2つの能力をもつ細胞のことです。
①自分自身と同じ性質をもつ細胞に分裂できる細胞(自己複製能)
②自分とは異なる性質をもつ細胞を作り出す細胞(分化能)
多くの細胞は①の能力しかもちません。血液の細胞は血液になり、筋肉の細胞は筋肉になります。 しかし幹細胞は特別で、①だけでなく②の能力ももっています。血液や筋肉の細胞を含め、体の中のどんな細胞にでもなれるのです。 このような性質を医療に応用することで、ダメージを受けた組織や臓器を修復し、再生することができると期待されています。
幹細胞は3種類ある
幹細胞の種類は大きく分けて3つあり、人間由来のヒト幹細胞、植物由来の植物幹細胞、馬や豚などが由来の動物幹細胞があります。
【ヒト幹細胞】主にヒトの皮下脂肪から採取した脂肪由来の幹細胞が使われます。ヒト由来であるため、アレルギーやガン化するなどが起きる可能性が低くヒトの肌への馴染みやすいとされています。
【植物幹細胞】細胞分裂が活発である種子の胚や根の先端が主に使われています。抗酸化作用や保湿作用が期待できる一方、採取する植物によって効果が一様ではない事や、植物アレルギー等には注意が必要です。
【動物幹細胞】ヒトの皮膚幹細胞と構造が似ている馬・豚・羊の胎盤から採取した幹細胞が主に使われています。しかし、重篤なアレルギーなどの安全性が確認されておらず、実用には至っていません。
~ヒト幹細胞は美容業界や医療現場で活躍~
肌馴染みが良いとされているヒト幹細胞は、美容業界や医療現場で使用されるようになりました。美容業界ではスキンケア用品を中心に、まつげ美容液なども発売されています。 また、幹細胞は組織の再生を担う組織で形成されていることから、再生医療の現場でも注目されており今後の実用化が期待されています。
化粧品として使われるのは安全性の面から、ヒト幹細胞と植物幹細胞です。 植物幹細胞由来の化粧品は比較的安価で取り入れやすいのですが、高付加価値の製品にはヒト幹細胞由来の製品が多く採用されています。
ヒト幹細胞培養液ってなに?
幹細胞コスメと言っても、実際に化粧品に配合されているのは実は幹細胞ではなく、「幹細胞培養液」です。 「幹細胞培養液」とは、幹細胞を育てる液体(培養液)から幹細胞を除いた上澄み液のことです。上澄み液には、幹細胞が成長・増殖する過程で放出したたくさんの成長因子や活性物質が含まれています。 成長因子はグロースファクターとも呼ばれ、細胞の増殖や分化を促す物質のことです。また活性物質はサイトカインとも呼ばれ、細胞を活性化させる物質のことです。これらをたっぷりと含む培養液を肌に塗ることで、以下のような効果が期待できます。
ヒト幹細胞培養液の肌への効果
シワやたるみ、ほうれい線の改善
ヒト幹細胞培養液は、肌の線維芽細胞に働きかけてコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸の生成を促進し、肌にうるおいやハリを与えてシワやたるみ、ほうれい線を改善します。
美白効果
ヒト幹細胞培養液は、表皮の角質細胞を活性化させることでターンオーバーを促し、シミや色素沈着の生成を防いだり薄くしたりする効果があります。
大人ニキビや肌荒れの改善
ヒト幹細胞培養液で肌にうるおいを与えてターンオーバーの周期を正常に戻すことで、乾燥やターンオーバーの乱れが原因で起こる大人ニキビや肌荒れを改善します。 ヒト幹細胞培養液は、肌の細胞を活性化させることで効果を発揮するため、肌質問わず、肌の新陳代謝が衰え始める20代から使うのがおすすめです。
化粧品選びで気をつけたいポイント
幹細胞培養液コスメを探す際には、必ず何由来かをチェックしましょう。幹細胞培養液には、ヒト由来のほかに動物由来と植物由来があります。 現在、美容や医療で最も使われているのは、人の皮下脂肪から採取した脂肪由来の幹細胞です。 その幹細胞から分泌される「脂肪由来幹細胞培養液」には、エイジングケア(※)に効果的な成長因子などがたくさん含まれています。 ヒト幹細胞培養液コスメを選ぶ際にはその配合濃度もチェックしましょう。 原液または高濃度配合されたものはより高い効果が期待できます。パッケージの裏面等に記載されている全成分表記は、添加されている成分の配合比率の高い順に並んでいる為、参考にしてみてください。 また、ヒト幹細胞培養液以外にもどのような成分が使用されているか表示されている成分にも注目しましょう。
- ※年齢に応じた化粧品によるケアのこと
ヒト幹細胞培養液は肌以外にも効果がある!
ヒト幹細胞培養液は、スキンケア効果以外にも、弱った毛根に作用して、発毛・増毛を促進する効果があることがわかっています。 ヒト幹細胞培養液は、肌に作用する時は肌細胞を活性化しターンオーバーを促す効果がありましたが、実は毛にも「ヘアサイクル(毛周期)」と呼ばれる一定の周期があるのをご存じですか?
毛が生えるまでのヘアサイクル
1.成長初期 毛包幹細胞が毛包の底で「毛母細胞」になる。 毛母細胞が栄養を吸収して分裂をくり返し、新しい毛として成長をはじめる。
2.成長期 毛母細胞が活発に分裂し、最初は細い産毛のような状態から太くしっかりとした毛に成長する。
3.退行期 毛母細胞に栄養が送られなくなることで、毛の成長が終わる。
4.休止期 毛は抜け落ちてから次の毛が作られるまで、一定のお休み期間がある。
ヒト幹細胞培養液は、「毛母細胞」の発毛因子を刺激することで毛母細胞を活性化し、乱れたヘアサイクルを正常に戻すことで育毛効果を発揮します。 ヘアサイクルの周期は、一般に毛髪が5~6年、まつげが3~5ヶ月であるといわれています。肌のターンオーバーは加齢と共に長くなってしまいますが、毛のヘアサイクルはその逆で加齢と共にどんどん短くなっていくのです。特にヘアサイクルの「成長期」の部分が短縮してしまうことで、毛が長く、丈夫に育ちにくくなることがわかっています。
ヒト幹細胞培養液でまつげの育毛を!
髪の毛は加齢と共に薄くなっていく傾向にあるのは一般に広く知られていますが、実はまつげも加齢による影響で抜けやすくなったり生えづらくなったりします。それだけでなく、まつげは髪の毛以上に外的ダメージを受ける機会が多いため、より一層日常的にケアをする必要があるのです。
まつげが加齢以外でダメージを受ける原因とは【アイメイク時の摩擦や刺激】アイメイクをするときに肌をこすってしまうことで、肌やまつげが痛んでしまうことがあります。また、ビューラーでまつげを引っ張ることで、まつげだけでなく毛根にも負担をかけてしまいます。
【まつげに十分な栄養が吸収されていない】ダイエットや食生活の乱れにより十分な栄養を摂取できていないと、まつげまで栄養がまわらずに丈夫なまつげを育毛することができません。また、ストレスや運動
睡眠不足などで血液の流れが滞っている場合も、まつげまで栄養を届けることができなくなります。
【目をこすったりまつげを抜いてしまったりするクセがある】花粉症で目がかゆくなったときに目を強くこすったりまつげを引っ張ったりしていませんか?まぶたの皮膚だけでなくまつげを生やす細胞自体も傷つけてしまっている可能性があります。
日常的にまつげにダメージを与えてしまっている心当たりのある人は、ヒト幹細胞培養液が配合されるまつげ美容液を使うことで以下のような効果が期待できるでしょう。
ヒト幹細胞培養液がまつげに与える効果
1.新しく生えるまつげを丈夫にする
ヒト幹細胞培養液によって毛包幹細胞が増殖することで、毛母細胞の増殖も促進され太く丈夫な毛が作られる効果が期待できます。まつげやその土台となる皮膚にも働きかけてまつげの健康な成長をサポートします。
2.今あるまつげを早く&長く伸ばす
毛母細胞を活性化することでまつげの成長スピードを高める効果があります。まつげと皮膚をダメージから守り十分な栄養を補うことで、まつげを長く育てます。
3.まつげを抜けにくくする
まつげの根元は毛包とその間の接着タンパクで支えられています。ヒト幹細胞培養液が傷ついた毛包を修復したり弱った接着タンパクを強くしたりすることで、より長くまつげを維持することができます。
いかがでしたか? 加齢とともに増えていく美容のお悩みには、ヒト幹細胞培養液コスメを取り入れてみてはいかがでしょうか?